総務さんバングラデシュから人を呼ぶ手続き、上司に報告しないといけなくて。順番すら分からないんです。



入管の資料に順番が書いてありますよ。まず「どこから呼ぶか」で2つに分けましょう。
バングラデシュから新しく呼ぶなら、手続きは8段階。日本の入管の手続きに加えて、バングラデシュ側の手続きが3つ入ります。駐日バングラデシュ大使館での「要求書」の認証、送出機関を使う場合の政府の承認、そして本人が出国前に取るカードです。一方、すでに日本にいるバングラデシュ人を雇うなら、雇用契約と在留資格の変更の2段階で済みます。
この記事は、私の採用体験談ではありません。出入国在留管理庁(以下、入管庁)が公開している手続き解説の資料を、「会社がやること」「本人がやること」「送出機関がやること」に仕分けし直したものです。報告書に貼れる形を意識して整理しました。
この記事は2026年9月時点の情報です。もとにしたのは、2026年9月時点で入管庁サイトに掲載されている資料です(資料自体に日付の記載はありません)。なお、資料の中でバングラデシュ側の手続きは「〜とのことです」と書かれていて、駐日バングラデシュ大使館から聞いた内容という扱いです。バングラデシュ側の最新の手続きは、駐日バングラデシュ大使館にご確認ください。
バングラデシュ人の特定技能の手続きは「2つのパターン」から始まる
最初に、どちらのパターンかを決めます。
| パターン | 主な手続き | ざっくりの長さ |
|---|---|---|
| ① バングラデシュから新しく呼ぶ | 大使館での要求書の認証→雇用契約→在留資格認定証明書→ビザ→出国前のカード→来日 | 8段階(バングラデシュ側の手続きあり) |
| ② 日本にいる人を雇う | 雇用契約→本人が在留資格を「特定技能」に変更 | 2段階(日本側の手続きが中心) |
(特定技能=人手不足の分野で、一定の技能と日本語力がある外国人が働ける在留資格。制度の基本は「特定技能をわかりやすく」の記事へ)
①のほうが長いのは、日本の手続きとは別に、バングラデシュ政府の手続きがあるからです。入管庁の資料も、冒頭で「日本側の手続ではありませんが」と断ったうえで、あえてバングラデシュ側の手続きまで説明しています。報告書でもこの2つを分けて書くと、上司に伝わりやすくなります。
海外から呼ぶときのバングラデシュ特定技能の手続き8段階
入管庁の資料の順番どおりに並べます。
| 段階 | 何をするか | 誰が |
|---|---|---|
| 1 | 送出機関を使うかどうか決める | 会社 |
| 2 | 要求書を駐日バングラデシュ大使館で認証してもらう | 会社 |
| 3 | 政府(MEWOE)の承認レターを受ける ※送出機関を使う場合のみ | 送出機関 |
| 4 | 雇用契約を結ぶ | 会社と本人 |
| 5 | 在留資格認定証明書を申請し、本人に送る | 会社 |
| 6 | 現地の日本大使館でビザを申請する | 本人 |
| 7 | 出国前のカード(BMET)を取る | 本人または送出機関 |
| 8 | 日本に到着し、上陸審査を受ける | 本人 |
一つずつ、用語もあわせて見ていきます。
1. 送出機関を使うかどうか決める
送出機関(現地で人を集め、渡航の手続きを手伝う機関)の利用は、バングラデシュの制度上任意です。使わずに、会社が本人と直接、雇用契約を結ぶこともできます。使う場合は、MEWOE(バングラデシュ海外居住者福利厚生・海外雇用省)から認定を受けた送出機関か、BOESL(バングラデシュ海外雇用サービス公社)に限られます。認定を受けた機関の一覧は、MEWOEのサイトで公開されています。
2. 要求書を大使館で認証してもらう
要求書(Demand Letter)とは、会社が「こういう条件で、こういう人を雇いたい」と示す書類です。海外から新しく受け入れる場合、会社はまずこの要求書を駐日バングラデシュ大使館に出して、認証(大使館による確認の証明)を受ける必要があるとされています。
- 出し方:大使館の窓口に直接/郵送/ウェブサイト経由
- 送出機関を使わない場合:要求書に、雇う予定の人の詳細を添えて出す
- 送出機関を使う場合:認証済みの要求書を、会社から送出機関へ送る
かかる日数と費用は、入管庁の資料では「約3営業日・無料」とされています。ただ、駐日バングラデシュ大使館のサイト(2026年1月6日更新の労働福祉部門のページ)には、要求書の認証は「通常3〜7日」「認証手数料は1ページ1,000円(銀行振込のみ)」という記載もありました。どちらが今の特定技能の手続きに当てはまるのかは、公開資料だけでは判断できませんでした。日数と費用は、提出前に大使館へ直接確認してください。



日本の入管だけじゃなく、バングラデシュの大使館にも書類を出すんですね。
そうなんです。しかもこれが、海外から呼ぶ場合の最初の関門です。この認証を受けてから、次の段階に進みます。
3. 政府(MEWOE)の承認レター ※送出機関を使う場合のみ
送出機関が、認証済みの要求書に候補者のリストを添えてMEWOEに出すと、承認レターが出るとされています。候補者のリストは、BMET(バングラデシュ人材雇用研修局)が作っているデータベースから、求人の条件に合う人を抜き出したものです。この段階は送出機関の仕事で、会社が政府に直接出すものではありません。
4. 雇用契約を結ぶ
タイミングが、送出機関を使うかどうかで変わります。
- 使わない場合:大使館の認証済み要求書を受け取ったあと
- 使う場合:MEWOEの承認レターを受け取ったあと
どちらも「認証や承認の前には契約しない」順番になっている点に注意してください。
5. 在留資格認定証明書を申請し、本人に送る
在留資格認定証明書とは、「この人は日本でこの在留資格に当てはまる」と入管があらかじめ認めた証明書で、ビザの申請に使います。雇用契約のあと、会社が地方出入国在留管理官署(各地の入管)に申請します。交付されたら、本人に原本を郵送する、と資料には書かれています。
なお入管庁では、2023年3月17日から在留資格認定証明書を電子メールで受け取る方法も選べるようになっています。バングラデシュ側の手続き(7番のカードなど)で紙の原本が必要になるかどうかは、大使館や送出機関に確認しておくと安心です。
申請書類づくりは、会社自身で行うか、行政書士・弁護士に依頼するものです。誰に何を頼めばいいかは、外国人雇用の相談先はどこ?にまとめています。
6. 現地の日本大使館でビザを申請する
本人が、届いた在留資格認定証明書を在バングラデシュ日本国大使館に出して、特定技能の査証(ビザ。日本に入るための推薦状のようなもの)を申請します。ここは本人の手続きです。
7. 出国前のカード(BMET)を取る
バングラデシュの制度では、本人(または送出機関)が、発給されたビザなどの書類をBMETに出して審査を受け、エミグレーション・クリアランス・カード(海外で働くための出国許可のカード)を取る必要があるとされています。
- 申請から発行まで:約2営業日
- このカードがないと出国できない
- 一時帰国したあと、日本に戻るときは取り直さなくてよい
最後の点は、入社後に「一時帰国したいのですが」と相談されたときに役立ちます。
8. 日本に到着し、上陸審査を受ける
空港の上陸審査で条件に合うと認められれば、上陸が許可され、「特定技能」の在留資格がもらえます。
送出機関を使う・使わないで何が変わるか
8段階のうち、2〜4と7は、送出機関を使うかどうかで中身が変わります。報告書では、ここを比べて見せると判断材料になります。
| 項目 | 使わない | 使う |
|---|---|---|
| 人探し | 会社が自分で見つける | 送出機関がBMETのデータベースから候補者を出す |
| 大使館に出すもの | 要求書+雇う予定の人の詳細 | 要求書(認証後に送出機関へ送る) |
| 政府の承認 | なし | MEWOEの承認レターが必要 |
| 雇用契約の時期 | 大使館の認証のあと | 承認レターのあと |
| 出国前のカード | 本人が申請 | 本人または送出機関が申請 |
使わない場合は、段階が1つ少なくなります。そのかわり、雇いたい人を会社が自分で見つけ、その人の詳細をそろえて大使館に出す必要があります。
使う場合は、候補者探しや現地の手続きを送出機関が担う分、段階と費用が増えます。送出機関の手数料の目安や、本人がいくら払って来るのかを確認する大切さは、特定技能の費用は総額いくら?に書きました。どの送出機関がよいかを当ブログでおすすめすることはしません。日本側で窓口になる人材会社の見方は、特定技能の人材会社の選び方を参考にしてください。
日本にいるバングラデシュ人を特定技能で雇う手続き



日本にいる人を雇う場合も、大使館での認証は必要なんですか?
入管庁の資料の「日本に在留する方を受け入れる場合」の流れには、要求書の認証も、出国前のカードも出てきません。手続きは次の2つです。
| 段階 | 何をするか | 誰が |
|---|---|---|
| 1 | 雇用契約を結ぶ | 会社と本人 |
| 2 | 在留資格を「特定技能」に変更する申請をする | 本人(各地の入管へ) |
変更が許可されれば、日本側の手続きは完了です。
ただし、見落としやすい点が一つあります。資料によると、本人は、在留資格や雇用主が変わったときに、駐日バングラデシュ大使館へ報告する必要があるとのことです。これは本人の手続きですが、本人が知らない場合もあります。入社のときに「大使館への報告は済んでいますか」と一言声をかけておくと、あとで本人が困らずに済みます。
日本にいる外国人を雇う道そのもののメリット・注意点は、外国人採用の費用は近所で下がるにまとめています。
バングラデシュ側の手続きの問い合わせ先と、報告前の確認ポイント
バングラデシュ側の手続きについては、入管庁の資料で次の問い合わせ先が案内されています。
- 駐日バングラデシュ人民共和国大使館
- 所在地:東京都千代田区紀尾井町3-29
- 電話:03-3234-5801(入管庁の国別ページでは「内線201」と案内)
- メール:fslabor@mofa.gov.bd
日本側の手続き(在留資格の申請)は、各地の入管が窓口です。
上司に報告する前に、次の3つを確認しておくと安心です。
- 海外から呼ぶのか、日本にいる人を雇うのか(道によって段階の数がまったく違う)
- 送出機関を使うのか(使うなら、MEWOEの認定を受けた機関か、BOESLか)
- 要求書の認証の日数と費用(資料と大使館サイトで記載が違うため、大使館に確認)



要するに、日本側は入管、バングラデシュ側は大使館に確認すればいいんですね。



そうです。「誰が・どこに出すか」を分けて書けば、報告書はぐっと読みやすくなりますよ。
まとめ
- バングラデシュから新しく呼ぶ場合は8段階。日本の手続きに加えて、大使館での要求書の認証・政府の承認(送出機関を使う場合)・出国前のカードという、バングラデシュ側の手続きがある
- 送出機関の利用は任意。使うならMEWOEの認定機関かBOESL。使うかどうかで、雇用契約を結ぶタイミングと段階の数が変わる
- 日本にいる人を雇う場合は、雇用契約と在留資格の変更の2段階。本人は、在留資格や雇用主が変わったら大使館へ報告が必要とされている
次の行動は一つです。「海外から呼ぶか、日本にいる人を雇うか」を社内で先に決めてください。パターンが決まれば、この記事の表をそのまま報告書に使えます。費用の見積もりに進むなら、こちらの費用を計算する記事へ。
この記事は2026年9月時点の情報です。バングラデシュ側の手続きは、入管庁の資料に掲載された大使館からの情報をもとにしています。最新の内容は駐日バングラデシュ大使館にご確認ください。個別の手続きは行政書士等の専門家にご相談ください。当ブログは人材の紹介・あっせんや申請の代行はしていません。
出典(いずれも2026年9月26日に確認)
- 出入国在留管理庁「バングラデシュに関する情報」(特定技能・二国間の協力覚書) https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri06_00110.html
- 出入国在留管理庁「〜特定技能外国人の受入機関の方々へ〜 バングラデシュ国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」 https://www.moj.go.jp/isa/content/001375801.pdf
- 出入国在留管理庁「バングラデシュ 手続の流れ(フローチャート)」 https://www.moj.go.jp/isa/content/001375800.pdf
- 出入国在留管理庁「在留資格認定証明書の電子化について」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/10_00136.html
- 出入国在留管理庁 在留資格「特定技能」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/specifiedskilledworker.html
- 駐日バングラデシュ人民共和国大使館「Labour Welfare Wing」(2026年1月6日更新) https://tokyo.mofa.gov.bd/pages/static-pages/695266a235ce18e1c05aa7a0
- バングラデシュ海外居住者福利厚生・海外雇用省(MEWOE)認定送出機関の一覧 https://probashi.gov.bd/site/notices/bbf3951f-1a9a-482c-8d26-55c84fa8522e/List-of-approved-sending-organizations-of-bd-Japan








